愛媛・松山の道後エリアは、日本最古の名湯「道後温泉」だけでなく、実はもうひとつ見逃せない歴史名所があります。それが、中世の名族・河野氏の本拠地として知られる「湯築城(ゆづきじょう)」です。
そして「日本百名城」にも選ばれています。
現在は道後公園として整備され、武家屋敷の復元や資料館などを通じて、戦国時代のリアルな暮らしを学べる“体験型の歴史スポット”として注目を集めています。さらに、徒歩圏内に観光名所や温泉宿がそろっているため、歴史・温泉・グルメを1泊2日でバランスよく楽しめる理想の観光地でもあります。
本記事では、湯築城観光に便利な宿泊施設5選を、徒歩でのアクセス・近隣観光情報付きで詳しく紹介。さらに、湯築城の歴史と見どころ、アクセス方法、季節ごとの楽しみ方、モデル旅行プランまで、旅行に役立つ情報をまるっとお届けします。
湯築城に泊まるならココ!編集部おすすめ宿5選
※:ランキングや表示順はむーちゃんの独自によるもので公式なものではありません。
道後温泉 あたたかい宿 谷屋:和の癒し空間
木のぬくもりを感じられる客室と、源泉かけ流しの貸切風呂が自慢の「谷屋」は、全7室だけの隠れ家的宿。旅館というより“あたたかいお家”に帰ってきたような雰囲気で、旅慣れた大人に人気です。
ゆったりとした朝時間には、道後公園を通って湯築城までのんびりお散歩も。歴史を感じながら一日をスタートできます。
🟠 湯築城までのアクセス
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徒歩約10分(道後公園を通る散策ルート)
🟢 近隣の観光スポット
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道後温泉本館(徒歩3分)
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湯神社(徒歩5分)
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坊っちゃんカラクリ時計(徒歩4分)
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道後ハイカラ通り(徒歩4分)
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石手寺(徒歩15分)
ドウゴノオヤド いわさき:アットホームな隠れ宿
ホテル名 | ドウゴノオヤドいわさき |
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(読み) | どうごのおやどいわさき |
特 色 | 全室バリアフリーで人に優しいお宿。<宿泊客限定特典>敷地内新設のパン屋でのご購入が割引価格に♪ |
料 金 | 3200円~ |
住 所 | 〒790-0854 愛媛県松山市岩崎町2-8-22 |
電 話 | 089-913-0303 |
FAX | 089-986-9218 |
最寄駅 | |
アクセス | 伊予鉄道城南線 道後公園駅より徒歩にて約3分 道後温泉本館へは徒歩10分 大街道まで電車で10分 車で10分 |
駐車場 | 朝8時以前チェックアウトの場合は駐車場利用可。1泊1000円(先着順)近隣パーキング有1泊350円〜 |
投稿件数 | 34件 |
★の数 | (総合): 3.60 |
「ドウゴノオヤド いわさき」は、シンプルで家庭的な雰囲気が魅力。素泊まりにも対応しており、周辺の飲食店を自由に楽しみたい人にぴったりです。
こぢんまりとした空間で静かに過ごせるため、観光の疲れをしっかり癒せます。湯築城までは徒歩約12分、道後の街並みを眺めながらの散策がおすすめです。
🟠 湯築城までのアクセス
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徒歩約12分(坂の少ない道後温泉駅前ルート)
🟢 近隣の観光スポット
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飛鳥乃湯泉(徒歩5分)
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道後温泉本館(徒歩6分)
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湯神社(徒歩7分)
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道後公園(徒歩10分)
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石手寺(徒歩15分)
松山・道後温泉 KKR道後ゆづき:安心の公的宿泊所
誰でも利用できる安心の公的施設「KKR道後ゆづき」は、リーズナブルで設備も整ったバリアフリー対応の宿。温泉も広々としており、年配の方や家族旅行にも人気があります。
公園の入口すぐ近くに位置し、湯築城観光にもベストな立地。しっかり休んで、しっかり観光したい人に最適です。
🟠 湯築城までのアクセス
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徒歩約8分(道後公園入口すぐ)
🟢 近隣の観光スポット
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道後温泉本館(徒歩7分)
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坊っちゃんカラクリ時計(徒歩6分)
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湯神社(徒歩5分)
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道後公園・湯築城資料館(徒歩8分)
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松山城(市電で約20分)
道後温泉 旅亭 うめ乃や:大人のための上質旅館
静かな和の空間を求めるなら「うめ乃や」が最適。全室が庭に面した大人の隠れ家で、食事もお部屋でゆっくりいただけます。旅館の設えや中庭は季節の移ろいを感じられ、湯築城の歴史ロマンにも通じる趣があります。
🟠 湯築城までのアクセス
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徒歩約6分(道後公園裏手からショートカット)
🟢 近隣の観光スポット
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椿の湯(徒歩3分)
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湯神社(徒歩4分)
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道後ハイカラ通り(徒歩5分)
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石手寺(徒歩10分)
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道後温泉本館(徒歩6分)
オーベルジュ道後:美食と温泉を楽しむ上質ステイ
料理重視の方に人気の「オーベルジュ道後」は、地元食材を活かしたフレンチディナーが高評価。少人数制で静かな時間が流れる中、心まで満たされる体験ができます。
散策がてら徒歩9分で湯築城へ。食・温泉・歴史をじっくり堪能したい方にぴったりの宿です。
🟠 湯築城までのアクセス
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徒歩約9分(道後公園を経由した散策ルート)
🟢 近隣の観光スポット
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道後温泉本館(徒歩5分)
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坊っちゃんカラクリ時計(徒歩4分)
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湯神社(徒歩6分)
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道後ハイカラ通り(徒歩4分)
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石手寺(徒歩12分)
湯築城の魅力とは?歴史と見どころを深堀り!
湯築城ってどんなお城?歴史を簡単解説
湯築城(ゆづきじょう)は、愛媛県松山市の道後エリアに位置する中世の城跡で、14世紀に伊予国(現在の愛媛県)を治めていた河野氏の本拠地として築かれました。全国的に見ると、石垣や天守を持つ「近世城郭」とは異なり、堀や土塁、そして木造の建物で構成された「中世の平山城」であるのが特徴です。
河野氏は瀬戸内海に強い勢力を持つ水軍大名として知られており、湯築城はその軍事・政治の中心地でした。しかし、戦国時代末期の1585年、豊臣秀吉による四国征伐で河野氏は滅亡し、湯築城もその役目を終えます。その後は加藤嘉明によって現在の松山城が築かれ、拠点が移されたことで湯築城は廃城に。
しかし、その価値が再評価され、現在では「湯築城跡」として史跡に指定され、道後公園内でその構造の一部が復元されています。特に注目すべきは、発掘調査に基づいて忠実に再現された武家屋敷ゾーンや資料館。お城の「戦いの場」としての側面だけでなく、「人が暮らしていた空間」としての歴史を学ぶことができる貴重な場所です。
このように、湯築城は単なる観光地ではなく、愛媛の中世史を語る上で欠かせない歴史的拠点。歴史好きの方はもちろん、学生やファミリーにとっても「生きた教材」となる名所です。
湯築城跡の見どころ:資料館・武家屋敷ゾーン
湯築城跡の最大の見どころは、整備された「道後公園」内に広がる再現ゾーンです。ここでは、発掘調査の成果に基づいて中世の武家屋敷がリアルに復元されており、まるで当時にタイムスリップしたような感覚が味わえます。
「武家屋敷ゾーン」では、茅葺き屋根の母屋、井戸、囲炉裏、納屋などが配置されており、内部も自由に見学可能。特に囲炉裏のある居間では、当時の生活道具や武具のレプリカが展示されており、武士の日常がどのようなものだったのかを視覚的に理解できます。実際に腰掛けたり写真を撮ったりできるため、子どもから大人まで楽しめます。
「湯築城資料館」では、城の歴史を分かりやすく解説したパネル展示や、出土品の展示があります。陶器や生活道具、矢じりなどが並び、学術的な視点からも充実しています。職員による丁寧な解説も好評で、質問すればどんなことでも親切に教えてくれます。
また、資料館には小学生向けのクイズラリーや体験イベントもあり、歴史学習の場として学校団体の来訪も多いです。観光地というより「学びの場」として、観光+教育の価値を兼ね備えているのが湯築城の魅力です。
湯築城と道後温泉の関係は?古地図で見る歴史
湯築城は、その立地からも分かるように、道後温泉と切っても切れない関係にあります。中世から江戸時代初期にかけて、温泉は「湯治(とうじ)」の場として武士や庶民の健康維持・病気療養に使われていました。湯築城を本拠とする河野氏は、道後温泉を保護し、領内の貴重な資源として管理していたのです。
当時の古地図をひもとくと、湯築城の外郭が道後温泉周辺を取り囲むように設けられていたことが分かります。つまり、温泉街そのものが城の外縁部に組み込まれており、実際に防衛・行政の一部として機能していたのです。
また、湯築城に滞在していた武士たちが道後温泉を利用していたという記録も残っており、「温泉と城が一体となった生活文化」が根付いていたことが伺えます。この関係性は非常に珍しく、他の城郭にはあまり見られない特徴です。
現在も湯神社など、湯築城にゆかりのある宗教施設が温泉街の中に点在しており、散策しながらその痕跡をたどることができます。湯築城を訪れる際には、ぜひ道後温泉との歴史的つながりにも注目してみてください。
湯築城周辺で体験できる歴史スポット3選
湯築城だけでも充分見応えがありますが、周辺には一緒に巡るとより理解が深まる歴史スポットが点在しています。以下の3つは、湯築城観光とセットで訪れるのにおすすめです。
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道後温泉本館
明治27年に建てられた木造三層の建築で、国の重要文化財に指定されています。漱石の『坊っちゃん』にも登場し、古き良き日本の温泉文化が今に残る名所です。内部見学ツアーも人気。 -
湯神社
道後温泉の守り神を祀る高台の神社で、湯築城の外郭内にあったとされる場所です。境内からは温泉街を一望でき、夕暮れ時の景色は格別。 -
石手寺
四国八十八ヶ所霊場の第51番札所。湯築城から徒歩または車で10分ほどの場所にあり、国宝の仁王門や仏像が多数あります。霊場巡りや精神修養にもおすすめ。
いずれも徒歩または自転車で回れる距離にあり、「歴史×癒し」の組み合わせで旅行の満足度が一気にアップします。
湯築城をもっと楽しむ!散策のコツと所要時間
湯築城跡は、観光客にとって“ちょうどいい広さ”の散策スポット。武家屋敷ゾーンや資料館までじっくり見て回ると、おおよそ1時間半〜2時間が目安です。以下に散策を快適に楽しむためのコツをまとめました。
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早朝や夕方の訪問がおすすめ
観光客が少なく、静かな雰囲気の中で歴史に浸れます。夏は朝の涼しい時間帯、秋や春は夕方の光が美しいです。 -
歩きやすい靴で行こう
園内には階段や土の道もあるため、スニーカーなどの履き慣れた靴がベスト。 -
パンフレットを入口でゲット
資料館で配布しているパンフレットには、見どころやマップが詳しく載っていてとても便利。 -
スマホでAR体験が可能
ARアプリを使えば、発掘された当時の建物がCGで再現される仕掛けもあり、子どもや学生にも大人気。 -
お弁当を持参して公園でピクニックも◎
ベンチや芝生エリアが多いため、天気の良い日は地元のパン屋さんなどで食事を買って楽しむのも一興です。
湯築城は“見るだけ”で終わらせるにはもったいない。歩きながら、感じながら学べる、そんな贅沢な時間を過ごせる場所です。
湯築城までのアクセス情報まとめ
湯築城までの交通手段:路面電車・バス・徒歩
湯築城は、松山市の中心部から非常にアクセスしやすい場所にあり、観光客にとっても迷いにくく、移動しやすいのが魅力です。メインの交通手段としては「路面電車(伊予鉄道市内電車)」「バス」「徒歩」の3つがあり、それぞれのルートにメリットがあります。
まず一番おすすめなのは、松山市内を走る「伊予鉄道の路面電車」を使ったルート。市の中心「松山市駅」や「大街道」駅から道後温泉駅行きに乗れば、終点の「道後温泉駅」で降りるだけ。電車は10分おきに運行しているので、タイミングを気にせず乗れるのもポイントです。道後温泉駅から湯築城までは徒歩で約5分。道後公園の南口を抜けてすぐに到着できます。
バスを利用する場合は、「伊予鉄バス」の道後温泉行きに乗り、こちらも終点で下車。停留所からは徒歩5分以内で湯築城に到着します。荷物が多い場合や、市電の混雑を避けたい方には便利な選択肢です。
また、道後温泉周辺の宿泊施設からは湯築城まで徒歩圏内(5〜12分程度)なので、朝の散策や夕涼みがてらアクセスするのもおすすめ。特に「旅亭 うめ乃や」「KKR道後ゆづき」「谷屋」などは道後公園に近いため、ほとんど信号もなく快適なアクセスが可能です。
観光地にありがちな“交通の不便さ”が一切ないのが湯築城の強み。誰でも簡単にアクセスできるので、安心してスケジュールに組み込むことができます。
湯築城に近いホテルとそのアクセス時間比較
湯築城を観光するなら、「宿選び」はとても重要です。湯築城跡は早朝や夕方に訪れると静かでとても良い雰囲気なので、徒歩圏内の宿に泊まっておくとその時間帯を活かせます。ここでは、宿ごとの徒歩所要時間をまとめて比較できるように表形式でご紹介します。
宿泊施設名 | 湯築城までの所要時間(徒歩) |
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道後温泉 あたたかい宿 谷屋 | 約10分 |
ドウゴノオヤド いわさき | 約12分 |
KKR道後ゆづき | 約8分 |
道後温泉 旅亭 うめ乃や | 約6分 |
オーベルジュ道後 | 約9分 |
これらの宿はすべて湯築城から1km圏内。道後温泉街から湯築城までは道後公園を横切るだけで到着するため、朝食前の散歩、チェックイン後の夕散歩など、時間を選ばず自由に訪問できます。
また、徒歩移動に自信がない方でも、宿のスタッフに相談すればタクシーの手配や近道の案内もしてくれるので安心。アクセスの良さは、観光全体の満足度を大きく左右します。湯築城を中心に観光プランを立てるなら、上記の宿が最も効率的で快適です。
湯築城見学と一緒に楽しめる道後エリアモデルコース
湯築城を含めた道後エリアの観光は、意外と効率よくまわることができます。歴史散策・温泉入浴・食べ歩き・買い物といった要素がすべて徒歩圏内に収まっているため、1日でたっぷり満喫できるのが魅力です。
ここでは、午後から出発する1泊2日の旅行プランとして、道後観光のモデルコースをご紹介します。
1日目:午後出発ののんびり旅
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13:00 松山市駅または空港着 → 市電で道後温泉駅へ
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14:00 宿に荷物を預けて出発(チェックイン前)
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14:30 湯築城資料館と武家屋敷ゾーンを見学(約90分)
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16:00 道後ハイカラ通りでおやつ&お土産探し
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17:00 宿にチェックイン・温泉でのんびり
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19:00 地元食材の夕食または外食へ(オーベルジュ道後など)
2日目:朝から歴史と癒しの時間
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08:00 朝風呂&朝食
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09:30 道後温泉本館で入浴(事前予約推奨)
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10:30 湯神社参拝 → 坊っちゃんカラクリ時計
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11:30 石手寺まで散歩 or タクシーで移動
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13:00 市電で松山城へ向かい、歴史探訪
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15:00 お土産を買って空港・駅へ
このように、湯築城を中心に据えつつも、道後温泉エリアの魅力を無理なく満喫できるコースです。歩きやすい靴で訪れることが、旅を快適にするコツのひとつです。
湯築城観光におすすめの移動手段はレンタサイクル?
道後温泉エリアでは、徒歩以外にも「レンタサイクル」の活用が近年注目されています。特に春や秋など過ごしやすい季節には、自転車での移動が効率よく、かつ景色も楽しめておすすめです。
湯築城とその周辺(石手寺、松山城、道後温泉街)はすべて約2km以内に集まっており、自転車なら10〜15分での移動が可能。さらに市内には「HELLO CYCLING」などのシェアサイクル拠点が複数あり、スマホアプリで予約・決済もできるので非常に便利です。
■おすすめレンタサイクルサービス
サービス名 | 料金目安 | 特徴 |
---|---|---|
HELLO CYCLING | 15分70円〜 | スマホで予約・乗り捨て可 |
道後観光協会のレンタサイクル | 1日500円〜 | 観光案内所で手続き、安心サポート付き |
また、電動アシスト付き自転車も選べるため、坂道の多い松山市内でも快適に移動できます。レンタサイクルは「効率」「景色」「自由度」のバランスが良く、旅の満足度をぐっと上げてくれます。
なお、観光シーズンには貸出が混雑する場合もあるので、事前予約か、早めの時間帯の利用がおすすめです。
湯築城周辺の駐車場情報と注意点
車で湯築城を訪れる場合は、駐車場の位置と混雑状況を事前にチェックしておくと安心です。湯築城は道後公園内に位置しているため、最も便利なのは「道後公園駐車場」です。約50台ほど収容可能で、湯築城資料館までは徒歩1分という近さです。
■主要駐車場と情報
駐車場名 | 料金(目安) | 距離・特徴 |
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道後公園駐車場 | 1時間100円〜 | 湯築城まで徒歩1分・24時間利用可 |
道後温泉駅前駐車場 | 1時間200円〜 | 湯築城まで徒歩7分・買い物や飲食にも便利 |
タイムズ道後温泉第2駐車場 | 30分220円〜 | アプリで混雑状況確認可能 |
注意点として、土日祝や観光シーズンには午前中から満車になることがあるため、午前中の早めの時間帯の到着が理想です。特に桜や紅葉のシーズンは混雑するため、公共交通との併用や、少し離れたパーキングの利用も検討しておくと安心です。
また、道後温泉街の一部は道幅が狭く一方通行が多いため、ナビゲーションに頼りすぎず、現地の案内標識に注意しながら走行しましょう。各宿にも専用駐車場がある場合が多いので、事前確認しておくとよりスムーズです。
湯築城周辺の観光スポットも楽しもう!
道後温泉本館:国の重要文化財の魅力とは
道後温泉本館は、湯築城跡から徒歩約5分という至近距離にある、日本最古の温泉施設です。明治27年に建築された木造三層楼の建物は、歴史的価値が高く、国の重要文化財にも指定されています。そのレトロな佇まいは、道後温泉のシンボルとして多くの観光客を魅了し続けています。
建物の中に一歩入ると、木の香りと温泉の湯けむりに包まれ、まるでタイムスリップしたかのような気分になります。館内には「神の湯」「霊の湯」の2種類の浴室があり、それぞれ異なる趣を楽しめます。特に2階休憩室から眺める庭園や中庭は風情があり、湯上がりのひとときにぴったり。
また、かつて皇族専用として利用されていた「又新殿(ゆうしんでん)」も見学可能(現在は部分見学・要確認)。皇室の格式を感じさせる装飾や間取りは一見の価値ありです。
道後温泉本館ではスタッフによるガイドツアーもあり、歴史的背景や建築の魅力について深く知ることができます。湯築城で中世の歴史を体感した後は、明治の風情漂うこの建物で、温泉文化の奥深さを味わってみてください。
坊っちゃんカラクリ時計と道後ハイカラ通り
湯築城を見学した後に訪れたいのが、道後温泉駅前にある「坊っちゃんカラクリ時計」と「道後ハイカラ通り」です。このエリアは、道後の観光名所が集まる最もにぎやかなスポットで、散策や食べ歩きにぴったり。
坊っちゃんカラクリ時計は、毎時00分に音楽とともに人形たちが登場し、小説『坊っちゃん』の世界観を再現します。地元の子どもたちにも人気のあるスポットで、記念撮影をする観光客の姿が絶えません。時計の横には足湯も設置されており、無料で利用可能。散策の合間にちょっとした癒しを得られるのがうれしいポイントです。
そのすぐ近くに広がるのが「道後ハイカラ通り」。全長250メートルほどの商店街には、お土産店、雑貨屋、カフェ、和菓子店などが軒を連ねており、愛媛ならではの魅力がぎゅっと詰まったエリアです。
特におすすめは、愛媛名産のみかんを使ったソフトクリームやスイーツ、そして坊っちゃん団子などの和菓子。店先で食べ歩きができるようになっているので、小腹がすいた時にもぴったり。
観光のテンポに緩急をつけられるこのエリアは、湯築城の「静」と道後温泉街の「動」の対比を楽しめる絶好の場所。お城観光のあと、温泉街のにぎやかさに癒される流れは鉄板コースです。
子ども連れに人気!愛媛県立とべ動物園
湯築城や道後温泉を中心に観光する場合でも、少し足を延ばして訪れる価値があるのが「愛媛県立とべ動物園」です。道後エリアから車で約30分の距離にあり、公共交通機関でもアクセス可能。ファミリーや動物好きには特におすすめのスポットです。
とべ動物園は、全国でもトップクラスの展示動物数を誇り、約150種・700点以上の動物が飼育されています。広大な敷地を生かした「環境展示」が特徴で、動物たちの自然な姿を間近で観察できるように工夫されています。
特に有名なのが、国内で初めて人工哺育に成功したホッキョクグマの「ピース」。その他にもライオン、キリン、ペンギン、ゾウなど、子どもが大好きな動物が勢ぞろいしています。
園内にはベビーカー貸出、授乳室、休憩所も完備されており、小さなお子様連れでも安心。また、レストランや売店も充実しているため、お昼ごはんやおやつにも困りません。
湯築城で歴史と文化に触れたあとは、自然と動物たちとのふれあいで心をリフレッシュ。知的好奇心と感性をバランスよく刺激できる一日になります。1泊2日の旅行プランにうまく組み込めば、大人も子どもも大満足の旅行になりますよ。
松山城まで足を伸ばす歴史ロマン旅
湯築城で中世の歴史を体感した後に、ぜひ訪れていただきたいのが「松山城」です。湯築城からは市電で約20分、大街道駅からロープウェイを使って山頂へ向かうルートが一般的です。
松山城は、江戸初期に加藤嘉明が築いた近世城郭で、現存12天守のひとつ。天守閣からは松山市街や瀬戸内海まで一望でき、まさに「天下を取った気分」を味わえます。石垣や櫓、門も当時の姿を保っており、城好きにはたまらないスポットです。
また、ロープウェイ街には土産店やカフェ、郷土料理店が立ち並び、観光の楽しみをさらに広げてくれます。特に伊予柑ジュースや鯛めしなど、愛媛らしいグルメが満載。
湯築城と松山城を両方訪れることで、戦国〜江戸へと時代の移り変わりを体感できるのも魅力です。午前は湯築城で中世、午後は松山城で近世という「時代の旅」を楽しむのもおすすめの過ごし方。
歴史の深さと城郭建築の美しさを一度に味わえるこの組み合わせは、歴史ファンはもちろん、旅行好きの一般観光客にも高く評価されています。
湯神社と石手寺:お城とセットで巡りたい古社
湯築城観光をより味わい深いものにするために、ぜひ一緒に巡っていただきたいのが「湯神社」と「石手寺」という2つの歴史ある寺社です。それぞれ徒歩圏内にあり、短時間でも立ち寄りやすいのが魅力です。
まず「湯神社(ゆじんじゃ)」は、道後温泉本館の裏手に位置する高台の神社で、湯築城時代からこの地の守護神とされてきました。神社の境内は小さいながらも清らかな雰囲気が漂っており、特に朝や夕方には鳥のさえずりが心を癒してくれます。
石段を登った先には道後温泉街を一望できるスポットがあり、写真映えする風景が広がります。ちょっとした休憩にもぴったりです。
一方、「石手寺(いしてじ)」は、四国八十八ヶ所霊場の第51番札所。湯築城から徒歩約15分、タクシーなら5分ほどの距離にあり、弘法大師空海が創建したと伝わる由緒あるお寺です。
国宝の仁王門や三重塔、本堂など見応え十分で、洞窟を使った「お砂踏み道場」などの体験型要素も人気。霊場巡りに興味がある方はもちろん、非日常の空気に触れたい方にもおすすめです。
お城の観光で「戦いの歴史」に触れたあとは、寺社仏閣で「祈りの歴史」に触れてみるのも、心のバランスを整える良い旅のスタイルです。
湯築城観光のベストシーズンと旅行プラン例
春の湯築城:桜と城跡で歴史散歩
春の湯築城跡は、1年の中でもっとも華やかで心地よいシーズンです。3月下旬から4月上旬にかけて、道後公園内の桜が満開を迎え、湯築城の土塁や堀を彩ります。園内にはソメイヨシノを中心に100本以上の桜が植えられており、武家屋敷ゾーンや資料館周辺もピンク色に包まれ、絶好のフォトスポットになります。
また、桜の開花時期には、地元の人々が集う「お花見スポット」としても賑わい、屋台やイベントが開催されることも。観光客だけでなく、地域に根ざした春の風物詩としても愛されています。
春は気候が穏やかで、散策にもぴったりの季節。朝早くに湯築城を訪れ、まだ人が少ない時間帯に花と城跡を独り占めするのもおすすめです。武家屋敷の縁側に座って、花びらが舞い散る景色を眺めるだけで、日常の疲れがふっと軽くなるような癒しの時間が流れます。
周辺の宿では春限定の桜をテーマにした和菓子や会席料理も楽しめることがあり、宿泊体験にも季節感がプラスされます。谷屋やうめ乃やなどは、こうした“春の設え”に定評のある宿なので、ぜひチェックしてみてください。
歴史と自然の共演を楽しむなら、春の湯築城はまさにベストシーズンです。
夏の湯築城:風鈴イベントと夕涼みスポット
夏の湯築城跡では、暑さの中にも涼を感じられる工夫がされています。特に7月〜8月には「道後公園風鈴まつり」などのイベントが開催され、公園内の樹木や建物に数百個の風鈴が飾られます。風に揺れるたびに鳴る音色が、耳から涼しさを届けてくれます。
日中の暑さを避けて、夕方から訪れる「夕涼み湯築城」もおすすめ。西日が差し込む武家屋敷ゾーンは幻想的で、時間帯によっては観光客が少なく、まるでプライベート空間のよう。蝉の声と風鈴の音が混ざり合う静けさは、都会では味わえない特別なものです。
また、夏は道後温泉本館や商店街で期間限定の涼菓や冷たいみかんジュースなどが販売されており、観光途中のリフレッシュに最適。坊っちゃんカラクリ時計前の足湯もぬるめの温度で心地よく、汗をかいた後のクールダウンにもぴったりです。
夜になると、道後温泉街では夜市やライトアップなどの催しがある場合も。湯築城の散策後に温泉でさっぱりし、夜の温泉街を浴衣で歩くという、風情たっぷりの夏の旅が楽しめます。
気温は高いものの、季節ならではの風情と仕掛けを楽しめるのが、夏の湯築城の魅力です。
秋の湯築城:紅葉と温泉で癒し旅
秋は湯築城跡がもっとも“絵になる”季節です。11月上旬から中旬にかけて、公園内のモミジやイチョウが色づき、武家屋敷や土塁とのコントラストがまさに絶景。特に、資料館の裏手や庭園の通路沿いに植えられた紅葉は赤とオレンジのグラデーションが見事で、訪れる人の目を楽しませてくれます。
この時期の道後エリアは、朝晩が涼しく、温泉の心地よさが一層引き立つシーズン。湯築城をじっくり散策した後に、温泉に浸かって体の芯から温まる…そんな癒しの流れは秋旅の王道コースです。
また、周辺の宿では秋限定のメニューも登場。松茸や栗、地元の秋野菜を使った季節感たっぷりの料理が並びます。特に「旅亭 うめ乃や」や「オーベルジュ道後」では、味覚と視覚で秋を感じられるディナーが楽しめます。
紅葉狩りに加えて、文化的な体験も豊富なのが秋の魅力。道後温泉本館では文化イベントが開かれることもあり、湯築城資料館でも企画展やガイドツアーが強化される時期です。
秋の湯築城は、歴史・景色・食・文化すべてが揃った“贅沢な季節”。静かな時間を求める大人旅に、最適なシーズンといえるでしょう。
冬の湯築城:雪景色と道後温泉の極上体験
四国・愛媛の冬は比較的穏やかですが、年に数回、雪が舞うことがあります。そんな貴重な雪の日に訪れる湯築城は、普段とはまったく異なる表情を見せてくれます。土塁の上に薄く積もる雪、武家屋敷の茅葺き屋根にうっすらと白く残る雪化粧。まるで水墨画のような景色が広がり、カメラ好きにもたまらない風景です。
寒さが厳しい分、温泉のありがたみをより一層感じられるのが冬旅の醍醐味。湯築城を散策したあとは、すぐ近くの道後温泉で湯に浸かり、体の芯からぽかぽかに。温泉街の明かりに包まれながら、湯冷めしないよう浴衣でそぞろ歩きするのも風情があります。
また、冬は観光客も比較的少なく、静かに観光したい方にとっては理想的な時期。道後ハイカラ通りも落ち着いた雰囲気で、カフェや雑貨屋でのんびり過ごすのに最適です。お土産には、冬限定の“みかんスイーツ”や干し柿、ゆずを使った商品が人気です。
クリスマスや年末年始には、旅館やホテルで特別メニューが用意されることもあり、記念日旅行やご褒美旅行にもおすすめです。
静寂の中に佇む湯築城の美しさと、心も体も温まる温泉。冬ならではの贅沢な時間を過ごせる穴場の季節です。
実際のモデルプラン:1泊2日の理想コース
最後に、これまでご紹介した内容をもとに、湯築城を中心に据えた「1泊2日のおすすめ旅行プラン」をご提案します。季節を問わず楽しめる内容で、観光、温泉、歴史、グルメを無理なく満喫できる理想的な構成です。
【1日目】松山到着 → 湯築城と温泉を満喫
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13:00 松山空港または松山市駅到着、市電で道後温泉駅へ
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14:00 宿に荷物を預けて湯築城へ移動(徒歩5〜10分)
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14:30 湯築城資料館・武家屋敷ゾーンを見学(約90分)
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16:00 道後ハイカラ通りでカフェタイム・買い物
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17:00 宿にチェックイン&温泉でリラックス
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19:00 宿の夕食 or オーベルジュ道後でディナー
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21:00 夜の温泉街を散策、足湯でクールダウン
【2日目】温泉と城下町を散策 → 松山城で締めくくり
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08:00 朝風呂&朝食
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09:30 道後温泉本館で入浴 or 湯神社参拝
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11:00 石手寺を参拝(徒歩 or タクシー)
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12:00 道後から市電で松山城へ移動(大街道駅)
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12:30 ロープウェイで松山城へ、天守閣見学
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14:30 松山市内で昼食・お土産購入
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15:30 空港または駅から帰路へ
このモデルプランは、観光と癒しのバランスが取れており、初心者からリピーターまで幅広くおすすめできます。ぜひ参考にして、あなただけの湯築城旅を楽しんでください。
まとめ:湯築城と道後温泉、歴史と癒しが融合した至福の旅
湯築城は、ただの城跡ではありません。戦国時代の伊予国を支えた河野氏の拠点であり、現代では道後温泉と一体となった“生きた歴史体験の場”として、多くの観光客を惹きつけています。
整備された武家屋敷ゾーンや資料館は、歴史好きはもちろん、家族連れや学生にとっても学びの場となり、中世の生活や文化を体感できる貴重な場所です。
さらに、徒歩圏内には全国的に有名な道後温泉本館や、坊っちゃんカラクリ時計、道後ハイカラ通りなど、旅の満足度を高めるスポットが満載。季節によって桜、紅葉、風鈴、雪景色といった異なる表情を見せるのも魅力のひとつです。
宿泊についても、編集部が厳選した徒歩10分圏内の宿5選を紹介しました。それぞれに特色があり、カップル旅・ファミリー旅・ひとり旅など、どんな旅行スタイルにも対応可能です。
歴史を学び、温泉で癒され、グルメと風情に満たされる——。
あなたも次の旅先に、「湯築城と道後温泉」を加えてみてはいかがでしょうか?
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